アジア・ウェルビーイング研究(ヤクルト)寄付研究部門
河原研究室
Asia Well-being Research (Yakult) Endowed Research Section
アジア・ウェルビーイング研究(ヤクルト)寄付研究部門
河原研究室
Asia Well-being Research (Yakult) Endowed Research Section
アジア・ウェルビーイング研究(ヤクルト)寄付研究部門は、株式会社ヤクルト本社からのご寄附により、2025年4月に東京大学スポーツ先端科学連携研究機構(UTSSI)に設置されました。本研究部門は、以下の4つの研究軸が相互に連携しながら、アジア地域における次世代の健康長寿社会の実現を目的としています。
1. アジア・ウェルビーイングバロメーター研究
2. 地域・学校・職場における健康教育プログラムの社会実装
3. がんを社会課題として捉えた講義を軸とした学際的教育プログラムの開発
4. UICC(国際対がん連合)をはじめとする国際ネットワークを基盤とした研究成果に基づく政策提言
これらの研究活動を通じて、学校・地域・職場における社会実装に資する学術的基盤の構築を図り、アジアにおける人々の健康意識とウェルビーイングの相互関係を包括的に探究していきます。
アジアの人々の暮らしの営みから未来を切り拓く
大学院総合文化研究科
特任准教授 河原 ノリエ
経済成長が著しいアジアでは、健康で長く生きたいという人々の願いがますます高まる一方で、地域ごとの課題は複雑化しています。混迷する世界情勢の中、私たちはいま、“本当の豊かさ”とは何かをあらためて問い直す時代に直面しています。進歩や発展とは異なる視座から、「ウェルビーイング」という価値の再構築が求められているのです。
多様な宗教、文化、家族観、社会制度が交差するアジアにおいて、ウェルビーイングの捉え方は一様ではなく、欧米の枠組みとも異なる側面を持ちます。当研究室は、がんを単なる疾病ではなく、社会のありようを映し出す鏡と捉えていた赤座英之研究室(2010年〜2021年)の研究成果を継承し、文理融合の視点からその探究をさらに深化させることを目指してスタートしました。アジアの多様性のなかで、私は研究者として、また社会活動に取り組む一人の実践者として、「誰ひとり取り残されない社会」の実現をめざし、研究と現場をつなぐ活動を継続してまいりました。とりわけ近年では、日本の地方にも、先進的な取り組みから周縁化されているという、アジアと共通する構図が存在することに注目しています。
こうした“周縁”とされてきたアジアや日本の地域社会にこそ、未来を照らす知恵が宿っています。私たちはその声に学び、分断を越えて知と実践を結び直し、暮らしのリアリティに根ざした新たな学術基盤の創出に挑んでいます。
当研究室は、がんを「社会の鏡」として捉え、科学・文化・政策・日常生活を横断しながらアジアにおけるWell-beingの実現を学際的に探究する研究・教育拠点です。マレーシアを主たるフィールドとして、行政・企業・医療機関・地域コミュニティと協力しながら、現地の実態に根ざした研究と社会実装を進めています。
日本およびアジアを対象に、文化・社会・制度・政策にまたがるWell-beingの実態を把握する調査研究を行っています。定量・定性の手法を組み合わせ、地域ごとの文脈や価値観を踏まえながら、課題の構造を明らかにすることを目指しています。
医療・人文社会科学・政策研究など多様な分野を横断し、総合的な知の創出に取り組んでいます。がんを「社会の鏡」として捉える学際的講義を2011年より継続し、学術と社会を架橋する人材の育成を進めています。
調査研究と学際的知見を基盤に、教育・医療・地域・企業の現場における実践へと展開しています。行政・企業・医療機関・地域コミュニティと連携し、Well-beingの向上に資する仕組みやプログラムの構築を進めています。
※ヤクルトMTG
調査研究と社会実装を通じて得た知見をもとに、アジアのWell-being向上に向けた政策提言を行っています。がん予防・健康格差・地域ケアなどの課題について、現場の実情と国際的視野を踏まえ、持続可能な制度設計の提案を発信しています。